4月に中央高速と圏央道を結ぶジャンクション地点に高尾インターチェンジが開通致しました。折りしも、ゴールデンウィークに放映された TV朝日の同行取材も踏まえ(4月番外編で紹介)、改めて高尾山を取り巻く環境を再認識しよう!と、今回の行動内容を企画致しました。 登山中、要所要所で足を止め、高尾山がどの様な成り立ちで出来たか?など高尾山の性質をレクチャー。 (大昔は海底だった地盤が隆起して高尾山が出来た!とか高尾山は粘板岩等で出来ている!…etc) まずは、一番地質が分りやすい南面の『稲荷山コース』から登り、途中樹木根の露出状況を改めて観察。森パトではいつも根っこを踏まないよう 声をかけながら登っているので、どのような状況になっているかは分っているはずなのですが…改めてまじまじとみるとホントにヒドイありさまです。 傾斜のきつい場所では露出した根っこが、あたかも階段を作っているかの様に段々となり登山者の足場となっています。もっとひどい所は 恐らく登山者の安全確保の為なのでしょう。途中で切られ根っこの間を通れるようになっている。当然のことながら根っこが切られた先っぽの方は もはや存在意義がない。この様な状況を見ながら、何故この様な状況になってしまったのかを隊員たちに考えてもらう。そしてコース中腹にある
『東屋』で休憩後、山頂を目指さず!『東屋』から甲州街道へ下りる山道を進みます。実はこの道は旧道で今ではあまり知られておらず、本当は ビジターセンターさんのお話しでは研究路以外の利用は控えて欲しいと言うのが本音だそうです。かつては東京都推奨の登山道であった痕跡 はあるものの、利用者が少ないせいですっかり荒れ果ててしまっています。実際に進んで行くと休憩小屋らしき物が建っていて、中を覗くとそこには 東京都の看板が設置されていました。何とかかんとか道の痕跡を探しながら下りると最後は沢に出ます。後は沢伝いに歩けば甲州街道に出る! と言う算段。実は何故甲州街道に出たかったかと言えば、冒頭で触れた『高尾インター』を見学するためです。実際下りた所は、ナント!料金所 の脇でドンピシャな場所に出ました。インター付近はまだ工事中のため、予め工事管理者にお断りをし山を下りました。隊員はもちろん、スタッフも この光景には度肝を抜かれたようです。何故って?それまで奥深い山道を下り、せせらぎを聞きながら沢を歩いたらいきなりコンクリートの要塞が 目に入ってくれば誰でも驚きます。それまでの景色とは別世界の様な光景はある種異様な感覚さえ覚えます。 今回の目的は、永年にわたり高尾山に親しんできた森パトだからこそ、敢えて目を向けようと企画。狙いはその事が良い・とか悪い・では無く。 いつもは緑で自然あふれる姿ばかりに目を奪われていましたが背中合わせでは山が削られ開発の手が直ぐそこまで来ているよ!と言う現状を知る事です。 人間が文明を手放さない限りこれからも自然は壊されていくでしょう。しかし、だからと言って見ないふりをしている訳には行きません。 これだけ科学技術が進歩しているのですから自然と共存して行くための意識を早いうちから持ってもらいたいと思います。そんなことで、昼食後は 分隊ごとに午前中見てきた環境の感想を出し合いながら@何故この様な現状を生んだのか?Aどの様にすれば回避することが出来たのか? Bこれからどうしたら良いのか?をディスカッションして発表してもらいました。中にはユニークな案もあってなかなか楽しかったです。正解なんかありません。 こうしながら現状に関心を持ち、自らが考えていく事が大事なのだと思います。大半の隊員はすぐに忘れてしまうかも知れません。 でも、頭の隅っこの記憶には残ったのではないでしょうか。 と、思いたいです…  |