1966年、(社)八王子市青年会議所が誕生し、翌1967年、明治100年にあたり高尾山が国定公園

に制定され「明治の森」と命名。その記念事業として(社)八王子青年会議所が高尾山一丁平に桜の植樹

を行いました。その時、この桜の木を誰がどのように管理したらよいかが問題になりました。当時、(社)八王子

青年会議所は創立二年目にあたり、"八王子を良く知ろう"という運動を展開しておりました。そんな折、時の

八王子市長、植竹氏と対談中、カナダの森林警備隊の話をお伺いし、森林パトロール隊のヒントを得ました。

また時代背景として緑の保全環境の美化が叫ばれているさなか、高尾山は多くのハイカー達によって荒されて

おりました。(社)八王子青年会議所でもこの問題が取り上げられ多角的に検討した結果、青少年達に大切

な郷土の緑を守り育てる心を養うと共に大自然の中で学びながら精神を鍛え豊かな情操を育むことを目的と

する青少年団体を作ろうということになり、1967年10月15日八王子森林パトロール隊が結隊されました。

そして桜の木を管理し、高尾山の自然を守るように指導しました。当時は、山火事防止の呼びかけやゴミの

清掃運動を行いましたが、ゴミの散乱はひどくなる一方でした。困り果てた隊員達は自らの考えでゴミの持ち

帰り運動を提唱し、地元の方々と共にハイカーや登山者たちに呼びかけました。その結果、現在では本当に

ゴミの少ない高尾山になりました。1970年当時、(財)国土緑化推進委員会では青少年に自然保護の理念

と緑化事業を普及させるために森林愛護少年団(仮称)を創設しようとしたところ八王子森林パトロール隊の

活動に注目し、これを緑の少年団のモデルケースとして取り上げ全国へ緑の少年団が普及することになりました。

現在では全国に600余りの団体が誕生し活躍しております。この様な経緯を踏まえ、みどりの少年団全国大会

や全国植樹祭へ東京代表として参加。平成2年から毎年開催されております「森と花の祭典"みどりの感謝祭"」

では毎年全国みどりの少年団の代表旗手を務め、大会名誉総裁であられます秋篠宮殿下・同紀子妃殿下への

花束贈呈役など名誉ある様々な活動も行っております。

それまでの長い地道な努力が認められ、外務省の日本海外誌"ニッポン"にも活動が紹介されたり、1988年には

『みどりのフェスティバル』にて農林水産省より特別表彰を授かり、その翌年には、農林水産大臣賞及び内閣総理

大臣賞と名誉ある賞を受賞することが出来ました。恒例行事として1月1日に高尾山で毎年行われる迎光際では

八王子市観光協会様より国旗掲揚の係りを仰せつかり、厳かな気持ちで1年のスタートを切ります。また、これまで

の隊活動では高尾山清掃デーの設置や、日米合同キャンプの実施。神戸での被災地の子供達との合同キャンプの

実施。富士山頂での清掃活動の実施。近年では2011年にJR東日本様より中央線のイメージポスターに起用され

東京駅から高尾駅まで中央線全駅のホームに特大ポスターが掲示され多くの方に存在を知らしめる機会となりました。

また、通常では困難とされる高尾山に於いて45本の山桜の植樹を行いました。更に地元では市民活動支援センター

様の会報にて特集を、商工会議所様が発行されているフリーペーパー"らぶはち"では巻頭を飾り隊活動をご紹介頂き

ました。その他毎月1〜2回の行動日による幅広い活動を行っております。また、八王子森林パトロール隊のもうひとつ

特徴は青年隊員の存在です。彼らは小・中学生を経てOBとなった高校生以上のOB隊員たちです。彼らは誰から

強要された訳でもなく各々自主的にスタッフとして在籍を希望した者たちです。現在15名の青年隊員が交代で隊の

指導員として活躍しております。毎回の活動計画の素案も彼ら、彼女たちが立案し月1度の会議で決定していきます。

この青年隊員の存在こそが八王子森林パトロール隊の真骨頂であり、永きにわたり続いてきた秘訣です。

現在八王子森林パトロール隊では73名の隊員を有しており、この春からは既存の青年隊員加え、5名の新高校生が

青年隊員として活躍しております。

                        

 

 

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